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日中関係は小泉純一郎首相の靖国参拝問題で火種を抱えたまま。
○五年四月の反日デモ以降も経済交流は良好とされるが政治問題が経済に悪影響を及ぼす危険性はくすぶる。 トヨタ社内には「何が起きるか分からない」(幹部)と慎重な意見は今も根強い。
さまざまなリスクを抱えながら、中国で本格攻勢に踏み出した巨人トヨタ。 最大手GMとの首位争いが激しさを増す中、その成否は世界の自動車業界図を塗り替える可能性を秘めている。
トヨタを特徴づける企業風土として、豊田家の求心力や労使協調、無借金経営などが挙げられる。 「創業のこころ」は脈々と受け継がれ、世界有数のグローバル企業となった今も、トヨタの企業活動を根っこで支えている。

「わしは他人より創造的能力に恵まれているわけではない。 すべて努力の結晶だ」。
生前そう語ったとされる佐士ロの最初の発明は、母が使う手機の改良だった。 小学校しか出ていない佐吉は、毎夜ろうそくの火を頼りに部品を一点ずつ外しては調べ、独学で設計を学ん庭先のミカンが白い花を咲かせ、甘酸っぱい香りを漂わせていた。
二○○六年五月中旬、静岡県湖西市の山里にある「豊田佐吉記念館」。 トヨタ車体(愛知県刈谷市)の新入社員約八十人がバス二台で訪れた。
「ようこそ、トヨタのルーッヘ」。 ニ年半前から管理を任された神先忠(師)が出迎えた。
明治の面影を残す母屋には佐吉の孫で、館長のS訂)トヨタ自動車名誉会長の表札が掛かる。 一行は神先に先導され、移築した納屋の前で足を止めた。
「佐吉は父に見つからぬよう、屋根裏にこもって織機の研究を重ねたんです」。 神先がこすると、研究部門を希望する男性社員は「こんな場所で.:」とつぶやき、薄暗い奥をのぞき込んだ。

実際に使っているものの欠点を見つけ、改良を積み重ねる手法は、品質、生産効率で世界一の自動織機の発明につながった。 佐吉の情熱、創意工夫が、現場主義や「カイゼン(改善)」などトヨタを特徴づける企業文化として受け継がれていった。
神先は、Sの長男、A師)トヨタ副社長から打ち明けられた言葉を覚えている。 「父が『豊田家の全財産を失っても、納屋だけは守れ』と言うんだ」記念館はSが一九八八年、佐吉が生まれた地に設立した。
生家を当時に近い形で復元し、代表的な発明品「G型自動織機」(一九ニ四年)などを展示する施設もある。

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